【ネタバレ考察】映画「THE FIRST SLAM DUNK 」を観てきた話その4

 

映画「THE FIRST SLAM DUNK」の 
勢いが止まらないです。 
興行収入100億を越えそうですね。

   


 前回は「父親の遺影からみえる裏事情」を 
お話しましたが、 今回はそこから
さらに見えてきた、 

  「タイトル〜THE FAST 〜の意味」 

 を語りたいと思います。 
 まぁ、ただの妄想なんで 
気にしないでくださいw 
 いきなりオチから話すと、 

  今作でスラムダンクは完全終了である。 

という事です。 
 では何故 タイトルが「THE FIRST〜」なのか?
 解説していきます。 

 みなさんご存知の通りスラムダンクは 
作者である井上雄彦氏の出世作です。 
 週刊少年ジャンプの黄金期を支えた名作 
でもありますが、当時のジャンプは 
アンケート至上主義で、 
編集部の力が強いことで有名でした。 
 作品の路線変更はもちろんの事、 
キャラの設定や性格、 
ストーリー自体を変更する等、 
その影響力は凄まじいものがありました。
 編集部の決断無しでは
作品の幕を下ろすことすら許されない
ほどの影響力。 
 この影響力から逃れられるのは
ごく一部の実績を持つ大物漫画家だけでした。 実績があったとしても編集部の意見に
追従する 漫画家も多かったと思います。
しかしながら、 その編集部の手腕によって
ジャンプが 少年誌市場に王者として
君臨し続けたのは 事実であります。
スラムダンクが出世作である以上、
この作品も 編集部からの影響を受けたことは
間違いないでしょう。 また、
井上雄彦氏は スラムダンクの前作
「カメレオンジェイル」で 早期打ち切りの目に
遭ってます。 この状況で
天下のジャンプ編集部の指示に 
ノーと言える漫画家はいないでしょう。

   

井上雄彦氏はスラムダンク連載終了後、 
「宮城リョータをもっと掘り下げて描きたかった」 
と発言しています。 
 連載終了後かなり経ってから
宮城リョータの前日譚とされる読切作品
「ピアス」が異例とも言える形で 
ジャンプに掲載されました。 
 この読切「ピアス」ですが、 
スラムダンクとの関連は明言されておらず、 
いわゆる「匂わせ」で発表されたのです。
 誰がどうみても スラムダンクの宮城リョータの話
なのに なぜ明言されなかったのか? 
 連載終了後かなり経った作品の 
後付設定みたいな読切が掲載されたのはなぜか? 
 色々と疑問が残る読切でしたが、
当時は スラムダンクの続編(第二部)が始まるのでは?
と、ファンの期待が膨らみました。 がしかし、
井上雄彦氏はこの年の後半に 
出版社を鞍替えする形で講談社のモーニングより
「バガボンド」の連載を開始。 
 集英社と決裂したのかと思いきや、その翌年、 
集英社から車椅子バスケのストーリーを描く 
「リアル」が発表されました。 
 この流れを改めて考えると、 
井上雄彦氏と集英社との間に 
何かあったのではないか?と想像できます。 
 ピアスは「俺はこういう話を作りたかった」 
という作家の意地であり、 編集部への抗議
だったのではないでしょうか。
 一方で集英社も 自分達の編集にプライドがあります
 スラムダンクがここまでの作品となったのは 
編集部の力でもあるわけです。しかし、
 ビッグタイトルを保持した作者との関係を
悪くするわけにはいきません。
ピアスをスラムダンクと直接つなげない事を
条件で掲載を了承したのではないでしょうか。
もしくは井上氏なりの編集部への配慮
だったのかもしれません。 ともあれ、
作者の意地とも言える 「ピアス」が掲載された
事により、 集英社との関係が保たれ、 
「リアル」の連載につながったと考えると、 
あの不可解なタイミングの「ピアス」掲載も 
腑に落ちるような気がします。

 

 おそらく「ピアス」という作品は作者なりの 
「スラムダンク」への決別 を意味していた
のではないでしょうか。 思うように生んでやれず、
 自ら殺してしまった愛する我が子へ贈る
惜別の一輪。 

 「ピアス」で「スラムダンク」に 
ピリオドを打ったことで、 井上雄彦氏は
「バガボンド」の連載に まい進していきます。 
また、氏のバスケに対する情熱は 
「リアル」に向けられ、 
異例の2作同時展開となりました。 

その後の活躍はご存知の通りです。 
 特にバガボンドで氏が開花させた 鬼気迫る画力は 
もはやアートの域にまで達した 
と言っても過言ではないでしょう。

 


 ここまででスラムダンクの 
「宮城リョータ」は 
編集部の意向によって誕生した原作版と 
作者がもともと考案していた読切版の 
2人が存在する
事がわかってもらえたでしょうか。 
原作のリョータには 桜木花道と同じ側にまわり
作風に加えられたギャグやラブコメ要素を支える
という役割が課されていました。
また、高校の部活を舞台にした作品によくある、
脇や敵役を描きすぎて主役が空気みたいな流れを食い止めるため主役の黒子になる必要もありました。 事実、バックストーリーが鮮明に描かれた
「三井 寿」は主役を喰うほどの
人気キャラとなりました。

 

 仮に今回の映画の「ピアス版リョータ」が
原作で展開されていたら、
元々の魅力とミッチーとの関係も相まって
完全に主役を飲んでいたと思われます。

ギャグ、ラブコメ、ヤンキー、 
この辺りの要素が強く出てたのは 
編集部の意向のような気がします。 
 こうなってくると、 

主役の桜木花道というキャラ自体が 
編集部の意向だったのでは?

と邪推してしまいそうです(笑) 
 編集部の意向で一番影響を受けて改変されたのが
 宮城リョータだったのではないでしょうか。
 原作中メインキャラで
唯一名前が カタカナ表記な理由は
コレかもしれませんね。 

 今回の映画で宮城リョータが主人公になった理由、 
それは、 

作者の原案そのままでスラムダンクの 
最終回を映像化する事が

今回の映画の メインコンセプトだったからです。
 つまり 

「THE FIRST SLAM DUNK」
とは 一番最初の原案によるスラムダンク 

と解釈できます。 

 原作の終了から20年以上が経ち、
作者の心情や当時の様々な大人の事情が 
緩和された事が今回の映画へとつながったと 
察します。 

 ここまで作者の考えをトレースしてきて、 
辿り着いた1つの考察があります…。 
 ちょっと、衝撃的な考察なので、 
スラムダンクファンを怒らせるかもしれません…。 
 あくまで個人的な妄想ですから、 その
点ご理解下さい…。 


 この映画は 作品終了から20年以上経って 
 ようやく執り行われた、 

「スラムダンクという作品の葬式」 

 なのではないでしょうか。 
「スラムダンク」への惜別の花として掲載した 
「ピアス」がメインになってる事、 

そして「THE FIRST」という表現は 
対になった「THE LAST」を暗示し、 
私達にファン対して
これが最初であり最後である
と伝えようとしている気がします。 

 もうこれで終わりだよと…。 そういえば、この写真…
映画館で撮った写真です。 

 ここに子供達を並べて写真を撮ったのですが、 
「言い表せない違和感」 
を感じた事を思い出して自分で鳥肌立ててます(笑) 
 たぶん自分の子供を入れて撮らないと
私自身気が付かないほどの微かな違和感…。 

 キャラの背景に白地に黒いフォントのタイトルが
 不自然にアップになってますよね? 

これが鯨幕(葬式の白黒幕)を表してる としたら、なんと恐ろしい意匠でしょう。 

だから子供を並べたときに嫌な感じがしたのか… 
と妙に納得してしまいました。 
 この考察、答えは作者の頭の中にしかないでしょう。
これが制作サイドにも伝えられなかった
井上雄彦氏の隠された真意だとしたら…。 

 井上氏はファンをとても大事にしています。 
この20年以上の間もスラムダンクの1コマを描く 
ファンサービスが何度もありました。 
そういったことがある度、私達は彼に対して 
単純に続編への期待を寄せてきました。 
 しかし、井上氏の中で「スラムダンク」という作品は 
もう終わらせた作品であり、 
2度と生き返ることは無いのでしょう…。 

 この映画
「THE FIRST SLAM DUNK」 とは、
「THE LAST SLAM DUNK」  として 
 私たちへ贈られた

 井上雄彦氏からの最後のファンサービス 

なのではないでしょうか。 
 私達はこのファンサービスを 

完全なる最終回と受け止めて、 
スラムダンクへの別れを告げて 

作家「井上雄彦」の「これから」を 
 応援していくべきなのです…。 




なんて妄想してみましたが 
いかがだったでしょうか?(笑) 

 みなさんも色々な考察があると思います、 
自分もここまで考察するとは思いませんでしたが、 
鑑賞終了後もこうして色々考察できるのは
この映画が本当にいい作品であるということですね。




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